保育士にとって学歴は重要?転職などへの影響は?

保育士の仕事をするにあたり、学歴は必要なのでしょうか。
保育士の採用試験を受ける時や転職する時などでも、学歴が重視されるのかは気になる点です。
保育士になるために必要な学歴、採用の際にどの程度学歴が影響するのかをご紹介します。
この記事の目次
保育士になるために必要な学歴とは
保育士になるには資格が必要ですが、一般的な資格取得の方法は厚生労働大臣が指定する保育課程のある大学や短大、または専門学校を卒業することです。
この場合、保育士試験を受けなくても学校を卒業したら自動的に資格が得られます。
もしこのような学校を卒業していなくても、保育士試験を受けて合格すれば資格は得られ、保育士になれます。
実際のところ、保育の現場では、保育士試験を受けて合格した人よりも、保育科などがある大学、短大、専門学校卒業で無試験で資格を得た人の方が断然多いです。
保育士試験は難関なためか、無試験で取れる方を選択する方が多いようです。
保育士試験の受験資格と学歴について
大学や短大、専門学校を卒業した場合、受験資格はあります。
保育に関係のない学部、学科でも問題ありません。
大学を中退していても、満2年以上在学し、62単位以上取得していれば試験は受けられます。
専門学校の中に1年制の学校がありますが、この学校は対象外です。
在学中であっても、受験する年度に卒業予定であれば「卒業見込み」として受験することができます。
中学、高校を卒業した場合ですが、高校については卒業した年によって条件が変わります。
平成3年3月31日以前に卒業している人、平成8年3月31日以前に保育科を卒業している人は受験できます。
これらどちらにも当てはまらない人は、児童福祉施設で2年以上かつ2880時間以上児童の保護に従事したことがあれば受験可能です。
中学を卒業した場合は、児童福祉施設で5年以上であり、かつ実務経験を7200時間以上を積めば良いです。
保育士に学歴は重視されるものなのか
保育士として働くのは、「保育士の資格」さえあれば大丈夫です。
資格はあるけれど、良い大学を出ていないから大卒の保育士とうまくやっていけるか不安なこともあるでしょう。
学歴は選考の時にある程度参考にされるかもしれませんが、保育士の仕事で差を感じることはありません。
プラスアルファとしてその人の常識や教養などを見るために学歴は参考にします。
保育士の資格には階級がありませんので、高卒で取得した資格でも大卒で取得した資格でも同じ「保育士」です。
現場で学歴が重視されることはないので安心してください。ただ、大卒なら高卒の人と比べて4年間多く学校に行っていますので、それなりの教養、マナーはあると思われていることはあります。
学歴で保育士の待遇に差が出る?
保育士でも働く場所(公立保育園、私立保育園、児童福祉施設など)によって給料に差があるものです。
公立保育園は地方公務員になりますので、学歴によって給料に差が出ます。大卒と短大、高校、専門学校卒とでは1万円程度ですが基本給に違いがあります。
一方、私立の保育園では学歴で待遇に差が出ることはありません。
ただし、インターナショナルスクールや幼児向けの英語教室などでは英語力が必要となるため、学歴や資格などで待遇が変わる可能性があります。
最近増えてきた認定こども園で働く保育士の場合、幼稚園教諭の資格の有無で待遇に差が出ることがあります。
幼稚園教諭の資格は、保育士とは違って短大や専門学校卒で得られる2種、大卒で得られる1種と階級があるので待遇で差が出るケースがあります。
保育士は学歴よりも経験重視
保育士の場合、学歴よりも経験の方が重視されます。
転職するにしても保育士としてどんな仕事をしてきたか、どれくらいのキャリアがあるのかが重視されます。
幅広くいろんな仕事を経験をしてきた人なら頼れる人材となるので待遇も良くなる可能性があります。
現在、待機児童が多い問題や保育士不足の問題などがあり、即戦力となる保育士を求めているところは多いです。
そのため、ある程度の経験があってお互いの条件さえ合えば即採用してもらえることがあります。
さらに、保育士だけでなく幼稚園教諭や看護師の資格があると優遇されるケースは多いです。
例えば病児保育を行う保育園で何年か働いていたという経験がある人なら、園内でもしもの事態に対応できますので、一般の保育園でも重宝されます。
保育士で転職しても新しい勤務先では給料が下がるのではないかと思われがちですが、他の職場での経験が認められて転職先で待遇が良くなることはとても多いのです。
保育士は学歴を気にすることはない
一般企業の中には学歴を重視するところがありますが、保育士に関してはほとんど気にすることはありません。
学歴だけで採否を決めることはありませんので心配無用です。
保育士の資格を持っていおり、子どもが大好きで子どもと一緒に成長していきたいという気持ちで働ける人が良い保育士として評価されます。