保育士が教える!正しい子どもの叱り方をご紹介

子どもたちにとっても「叱られる」ということは、成長していく過程で大切なものです。
悪いことをした時、しつけをしなければいけない時など、子どものために叱らなければなりません。
こちらでは、私が保育士をしている上でどうやって叱っているのかを紹介します。
子ども叱る時は怒鳴らない
どうしてもカッとなって「こら!」と怒鳴ってしまうこともあると思います。しかし、それでは子どもたちがなぜ怒鳴られているのか分からないこともあります。
ただ怒鳴り、子どもに無理やり謝らせ、そのまま子どもを「恐怖」によって言うことをきかせることはとても簡単です。
しかし、こうして「恐怖」によってコントールしてしまうと、子どもたちは、なにが悪かったから怒られた、という認識ではなく「怒鳴らなれて、怖かったから、やめよう」という認識になってしまいます。
子どもたちが理由を理解しなければ何度も悪いことを繰り返してしまいます。
そのため、きちんと子どもたちに悪いことをしてはならない理由を教える必要があります。
子どもたちも小さくともきちんと自我をもった人間です。赤ちゃんであっても、子どもたちには子どもたちの意思があります。
それを「恐怖」だけで言動をコントールしてしまうと、子どもたちは「恐怖」から逃げようとするだけで、なにが悪かったのかなんてわかりません。
そのためにただ怒鳴るだけで叱るというのではなく、理由をきちんと優しく説明してあげましょう。
怒鳴らない叱り方とは?
はじめに子どもたちとちゃんと目を合わせて「なんでこれをしたのか」を聞きましょう。
小さな赤ちゃんでは難しいと思いますが、1.2歳児くらいになれば、たどたどしくも言葉で自分の思いを伝えてくれます。それを聞いてあげてください。
例えば机の上に乗って遊んでいる子どもがいるとしましょう。
「ダメだよ、机の上にのぼったら」
そう問いかけると、子どもたちは何故それが駄目なのかわからずに、きょとんとするでしょう。
子どもたちにとっては遊び屋楽しいことの延長であり、なぜ叱られるのか分からないのです。
「こうして机の上にのってAちゃんが落ちちゃったら、ここにいるBちゃんにぶつかるよね? それにAちゃんも落ちたら痛いよね」
「机は乗るものだっけ? お絵描きやご飯食べるところに乗ってもいいんだっけ?」
と、なぜいけないのか、きちんと教えてあげることが必要です。
例えば保育士が例を見せてもいいかもしれません。
「こうして落ちたらどうなる? 先生いたいいたい、なるよね」
など、伝え方は子どもの年齢などにもよりますが、実際に見せたりすれば子どもたちも理解し「机の上はご飯等を食べるところだから、また、上にのぼったら落ちたりすることがあるから、危ない、だからだめだ」ということが分かります。
この方法をしてもする場合は、叱り足りないなどではなく、中には「構ってくれる」=「叱られる」のような時期もありますので、一概にはいえませんが、ちゃんとお互いに理由を説明すれば子どもたちはいつの間にかそれを理解し、やらなくなります。
怪我をさせた、喧嘩などの時の叱り方は?
怒鳴らない怒り方は分かったけれども、喧嘩などの時はどうやって止めるのか?という疑問もあると思います。
これは保育士によりやり方はそれぞれですが、ここでは、私が過去にしてきた叱り方を紹介しようと思います。
喧嘩などの場合、イライラなど子どもたちの様子を見て事前に止めてやることも大切ですが、子どもたち同士で喧嘩をすることもまた、大切な経験です。
しかし、それで怪我を負わせてしまったりしてはいけませんよね。
喧嘩をしている時は、止めてからまず、その喧嘩の原因を聞きましょう。
子どもが興奮したりしている場合はその二人を離して、聞いてあげてください。まずはその場をおさえるのが先ですね。
そのあと、他に任せられる人(複数担任なら他の保育士へ)にほかの子どもたちをまかせ、ゆっくりと話をきいてあげられる環境にしましょう。
そこまでして、ようやく理由です。
理由をお互いからきいて、または見ていたことを伝えて、どうして駄目だったのかを言葉をひろい、繋いであげてください。
子どもたちはまだ大人のように自分の思いを上手く言葉にすることが難しいです。だからこそ間に保育士がはいり、言葉をうまく繋いであげてください。
この時に「謝る」ことを教えるのも大切になります。
なぜ謝らなければいけないのか、それもさきほど述べましたが「こうされたらどう思う?」「痛いことされたらどう?」など、子どもたちに質問して、子どもたちが答えを出せるようにしてあげましょう。
「叱る」ことも大切ですが、それについて「謝る」ことを知ることもまた大切なのです。
正しい子どもの叱り方
子どもたちは人間です。なので私たちと同じように気持ちがあります。それを無理矢理「恐怖」で潰さないであげてください。
子どもたちも何度も繰り返すうちにわかってきますし(わかってやる子どももいますが、それは大体別の理由があるので)一度では理解しきれずとも、伝えていけばわかるようになります。
まずはその場の状況を把握し、落ちついて子どもの声に耳を傾けてください。
なぜ叱られる状況になったのか、その行為が叱られるのはなぜか、それを伝えてあげてください。
子どもたちも保育士が向き合い、伝えていけば、自然と理解してくれるものです。
叱るという行為はどうしても感情的になりやすく、難しいことです。
ですが、少し保育士さんも一度深呼吸してをして、子どもたちとまっすぐ向き合ってあげてください。
そうしていけば、子どもたちを怖がらせず、きちんと「叱ること」ができますよ。
