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お泊り保育は何のため?保育士が目的と内容をご紹介

最年長児クラスが行うお泊り保育は、保育園行事のビックイベントのひとつだと思います。

保護者から離れて外泊することは初めてという子どもも多いのではないでしょうか。

保護者はもちろんのこと子ども達も楽しみにしている反面、不安を感じていることも多いと思います。

そんなお泊り保育が成功するために目的から内容までご紹介したいと思います。

お泊り保育は何のためにするの?

園によって、様々な目標が立てられると思います。

一般的には、

  • 保護者から離れて過ごすことで自立心を育て自信を持たせる
  • 友だちや先生と1日を過ごすことで協調性を育てる

などが、お泊り保育の目的です。

どんな準備が必要?

計画をたてる

日程は7月~8月の夏に1泊2日のお泊りをします。

場所は保育園で行ったり、合宿施設などで行ったり園によって変わります。

1日目、荷物の整理が終わったら海や川、アスレチックがある公園など普段の保育では味わえない遊びを行う園が多いです。

包丁などを使って子ども達が夕食を作るなどの体験をする園もあります。

子ども達に日常では味わえない体験を安全に楽しく行ってもらうために、綿密な計画とそれぞれの保育士の役割分担を行います。

保護者へ連絡

計画を立てたら、手紙などでねらいを含め、タイムスケジュールや持ち物をお知らせします。

健康チェック表や同意書などの安全に行うための書類を保護者に提出してもらう園もあります。

特に、アレルギーやおねしょの有無や寝付き方など、子どもの情報を保護者と共有することで安心して送り出してもらえるようにします。

子ども達への心準備

子ども達は初めての体験に楽しみな反面、不安でいっぱいで、「お泊り保育したくない」と家で言ったり泣いたりする子も少なくないです。

そんな子ども達のためにもお泊り保育では、楽しいことをたくさんするということを毎日話したり、一緒に準備をしたり、お泊り保育までカウントダウンなどすることで、子ども達の期待を高める声かけをしていきます。

準備する事

お泊り保育で使用するものを準備することをはじめ、園で宿泊であれば近隣へのお知らせからキャンプファイヤーを行うのであれば、消防署への連絡なども必要になってきます。

準備するものは、活動の内容によって大きく変わってきますので、何度も確認して準備していきます。

お泊り保育ってどんなことをするの?

実際に経験したスケジュールを元に、1日の流れを見て行きたいと思います。

1日目

9:30 集合
保育士は子ども達を受け入れ、保護者から健康状態を聞きます。
10:00 結団式…保護者参加の園もあり
今から翌日の終了まで一緒に過ごす仲間や先生と一緒に集まります。
10:30 荷物の整理
出来るだけ自分たちで荷物の整理が出来るよう保育士は見守ります。
11:00 昼食準備…おにぎりやサンドイッチを持って園外活動に行く園もあり
保育士は衛生に気を付け食品を扱います。アレルギーがある子へは細心の注意を払います。
12:00 昼食
13:00 園外活動…川遊び・プール遊び・山登り・運動公園・海遊びなど
役割分担を元に、安全に遊べるよう保育士は子ども達と遊びます。
16:30 夕食準備(カレー・バーベキューなど)
子ども達がピーラーや包丁を使って野菜をカットするなど体験するので、保育士は安全に配慮しながら
一緒に活動をします。
17:30 夕食
18:30 就寝準備
自分たちでタオルケットなどの寝具を敷きます。保育士は子ども達が自分で出来るよう見守ります。
19:00 キャンプファイヤー
事前に子ども達の中から選出した火の女神が火の神に扮した園長から火を貰い、キャンプファイヤーに火をつけ、みんなでダンスやグループごとに出し物をしたり先生たちの出し物などを見たりして過ごします。
役割分担を元に保育士は安全に留意しながら動きます。終了後は確実に火を消します。
20:00 入浴
子ども達が自分で体を清潔にすることが出来るように、保育士は見守りながら介助します。
21:00 就寝
保育士は子ども達が寝ている間も、息をしているか暑すぎないか、おねしょをしていないか、泣いていないかなど交代でチェックし朝まで見守ります。

2日目

6:00 寝具の片づけ・身支度
起きた子どもから寝具を片づけや身支度を行うので保育士は声をかけながら見守ります。
おねしょをしている子がいれば、他の子に分からないようにそっと着替えをするなど配慮もします。
7:00 体操
朝のご挨拶や体操を一緒に行う保育士、朝食の準備をする保育など役割分担を元に動きます。
7:30 散歩…近くの公園などにみんなで出かけ朝の空気に触れます
8:00 朝食
朝おにぎりを自分で作って食べるところもあります。
朝食を食べる様子を見ながら子ども達の健康をチェックします。
9:00 集団遊び…宝さがしなどを行います
10:00 おやつ宝さがしで見つけたものはアイスの券だったりと工夫している園もあります。
10:30 荷物整理
子ども達は自分で荷物を整理し、帰る準備を行います。
11:00 解団式保護者がお迎えに来て一緒に参加する園もあります。
忘れ物がないか保育士はチェックをし、片づけを行います。

注意する事

持病のチェックやアレルギー、寝るときのクセやおねしょなど、保護者から子ども達の状況をしっかり聞き把握しておくことが大事です。

普段の園生活とは違い、1日一緒に過ごすため子ども達の安全を第一に行動します。

その為にも予想される危険を出来る限り出し、回避できるようにします。

また子ども達はもとより、保護者も不安を抱いていますので、安心して臨めるように声かけを行います。

まとめ

お泊り保育は子ども達も緊張しますが実は保護者はもっと不安でいっぱいです。

保護者が不安でいると子どもも不安を強く感じていきます。

安全性や衛生面で問題がないのかと帰ってくるか心配しています。

保護者から離れて過ごすことで自立を促すと言われても、保護者にとっては泊まらなくても自立は出来ると思うものです。

ですが、そんな不安いっぱいの保護者も、子ども達が友だちや先生と同じ時間を過ごし一緒に寝泊まりした体験を家で楽しそうに話したり、迎えの時間に目を輝かし充実感に満たされた表情をしていると、お泊り保育に意義を感じてくれます。

実際に、お泊り保育後の保育のいろんな場面で、率先して手伝いをしたり、困っている友だちを自分から助けたり、出来ないことを助けてもらえるよう自分から言ってきたりと子どもたちの心の成長が大きくみられます。

不安そうにしている保護者には、みんなお泊り保育の後には子ども達がどのような成長を見せてくれるのか、先輩などに今までのエピソードを教えて貰い伝えて行くことで安心させると良いでしょう。

そして何よりも安全を第一に、もし不測の事態が起きても落ち着いて対処できる冷静さを持って、お泊り保育に臨むことで、子ども達に最高の思い出を残してあげたいですね。

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