保育士は仕事を家でする?保育園の持ち帰り業務とは

保育士はとにかく業務が多い仕事です。
仕事の要領をつかめないうちは、勤務時間内で終わらず持ち帰って仕事をしたものです。
タイムカードがない保育園が多いので、残業しても残業手当がつきません。
残業すること、残業したことを園長に言っても「こちらが指示したことではない」と言われて手当はつかないという事が昔はよくありました。
今では、残業しないようにと言われるので園で出来なかった仕事は「持ち帰ってする」という事になってしまいます。
ここでは実際に持ち帰ったことのある持ち帰り業務の内容をご紹介したいと思います。
指導計画
年間計画、月案、週案、日案、保育日誌、個人記録とたくさんです。
年間は1年に1度、月案は1カ月に1度、週案は週に1度、日案・保育日誌・個人記録は毎日のことなので、すごい量になってしまいます。
保育時間で記入が出来るのは子ども達がお昼寝をしている間ですが、お昼寝の時間は保育士の食事と連絡帳記入、翌日の保育について非正規職員への連絡などなどに使われるためすることが出来ません。
また最近はパソコンで入力できるようになってきていますが、パソコンがたくさんあるわけではないので順番待ちになってしまうことも多くあります。
家に帰って、日案・保育日誌・個人記録など毎日記入が必要なものを作成するとなると1時間は余裕でかかってしまっていました。
会議資料の作成
毎月の職員会議が担当制だった園では、担当月に職員会議のレジュメや資料作成に追われました。
職員会議で話し合う行事の担当だった時は、行事の計画案も作成する必要があります。
これは前もってすることが出来るので、日ごろからおおよその計画と構成を考え、休日など時間を見つけてはパソコンで作成していました。
保護者向けの手紙
園だより、クラスだより、その他行事の案内やお知らせを保育士が作っていた園で勤務していた時は、園では文章の構成や内容を園長に確認してもらい、それだけで時間は過ぎてしまっていたため、持ち帰って完成させていました。
園便りやクラスだよりは、温もりが伝わるようにと手書きだったため、かなり時間がかかりました。
保育の制作準備
子ども達は保育でのりやハサミ・クレヨンなどを使って制作をします。
折り紙を折るだけの場合は園で準備しますが、画用紙に○を描いて子ども達がハサミで切る場合などは、○を描いただけの画用紙を準備し○を描く、それぞれに名前を記入するなど細かな準備が必要になってきます。
勤務時間内で終わらない時は、持ち帰って準備をしていました。
壁面装飾や行事で使う小物の作成
保育室の壁面装飾は毎月変えます。
また制作物を掲示する場合は、それに合った飾りを作成します。
また行事前になれば、作るものはたくさん出てきます。
さらに誕生会や各種行事で子ども達に見せる出し物の準備などもあります。
保育室の壁面装飾は自分のクラスなので、行事の出し物の準備はペアですることが多かったので、優先して一緒に作っていたため、保育室の壁面装飾は持ち帰ってすることが多かったです。
これは、1日で1度にせず何日もかけて準備していたので、持ち帰ってもそれほど時間はかかりませんでした。
日々保育のネタつくり
0歳や1歳などは発達を促せる個々の発達に合った遊びを考えていたため、指先を使ったおもちゃで言えば、型はめ型おとし、マジックテープやホックを使ったパズルなど手作りおもちゃを用意していました。
また行事や制作をする前に説明するための、絵やペープサートなどの準備も家でしていました。
これは保育士によって大きく差が出るので、保育の工夫をしたいひとほど家での仕事が増えていくでしょう。
保育実習生の実習記録
年に数名保育実習生が来ます。
担当になったときは実習記録を読んで、指導をいれる必要があります。
実習生も徹夜をして作成して来ますので、その思いに答えて丁寧に読み丁寧に指導の赤ペンを入れて行きます。
コメントを書く欄があるため、わかりやすく記入するのにかなりの時間を費やし、夜中まで向き合うこともよくありました。
持ち帰り仕事を減らすために
勤務時間内で終わらない量の仕事があるため、どうしても持ち帰って仕事してしまいます。
行政などで対策を練ってもらうことも大切ですが、まずは園内で残業や持ち帰りを減らす努力をする事も大事だと思っています。
では、実際にどうやって見直していけばよいのでしょう。
- 勤務時間内で終わらない仕事のリストアップ
- 書類などの期限などカレンダーなどに記入し、作業日が重ならないようにする
- その人じゃないと出来ない仕事は優先させる
- 正規職員と非正規職員の仕事分担
このように勤務時間内で終わらない理由を見つけ、時間配分や分担・保育の見直しをすることで、ひとりで抱え込む仕事の量が減るのではないでしょうか。
しかし、残業や持ち帰りの仕事を減らすために個人単位でいくら考えても、他の保育士や園長が同じ方向で一緒に考えなければ考えるだけで終わってしまうでしょう。
なので、実際にどれだけの業務負担があるのかリストアップして園長に報告したり、職員全体で話し合うなど意識を高めたりするということをしていく必要があるのかもしれません。