企業内保育所で働くメリットとデメリットとは?保育士がわかりやすくご紹介

保育士の職場といえば保育園が大半を占めます。
しかし、保育士が活躍できる職場は、児童養護施設や母子支援施設など、保育園以外にもたくさんあります。
その中でも企業内保育所は、保育園と同じように就学前の乳幼児を保育する施設です。
一般的に小規模保育が行われている企業内保育所で働くメリットとデメリットについて、保育士が分かりやすくご紹介します。
企業内保育所とは?
企業内保育所とは、企業が従業員のために敷地内や近隣に設置した保育施設です。
待機児童問題がなかなか解決されず、育児休業明けの職場復帰に頭を抱える家族はたくさんいます。
そんな中、企業内保育所は企業に籍を置く共働き家族の大きな味方といえます。
企業内保育所は従業員向けに作られていますが、待機児童解消のため、地域の子どもを受け入れている保育所もあります。
どんな企業が企業内保育所を持っているの?
企業内保育所を持っている企業には、女性従業員が多いという特徴があります。
化粧品会社や乳飲料宅配事業の会社に企業内保育所が多いことはよく知られています。
また、従業員数が多い大企業にも企業内保育所があることがあります。
この場合、本社のある東京などの大都市が多いです。
地方にある工場など、従業員が多い職場も企業内保育所を構えていることがあります。
企業内保育所の多くは、3歳未満児を対象としています。
3歳以上児は地域の保育園や幼稚園に通うのがほとんどです。
そのため、企業内保育所では小規模保育が行われていることが多いです。
企業内保育所で働くメリットは?
保育士として企業内保育所で働くメリットを5つご紹介します。
企業の社員として採用されるので、給与面での条件や労働環境が良い
企業内保育所で働く保育士には、正社員、契約社員、非常勤などの勤務形態があります。
企業内保育所は、企業の勤務体制に合わせて子ども受け入れる時間が決まってくるので、保育時間や休日なども企業と同様になります。
そのため、土日が休みの企業は、保育士も同じように休みとなります。
給与面や勤務時間などについても、経営母体となる企業の規定に準じていることが多く、働きやすいように整備されています。
有給休暇が取りやすい
公私立の保育園では、慢性的な保育士不足と長年培われてきた保育園独特の風習からも、有給休暇が取りにくい傾向にあります。
しかし、企業内保育所は企業の規定に従って、保育士の待遇も保障されています。
保育士も一従業員として、有給休暇の取得をしやすい場合が多い傾向にあります。
園内行事が少ないため、保育士の負担も少ない
企業内保育所に入所している子どもの保護者は皆、同じ企業で働いています。
参観日や親子遠足などの行事が入っても、保護者が同じ日に休みを取ることは難しくなります。
そのため、企業内保育所は、保護者が参加する行事が少なく設定されています。
行事の準備等で業務量が増すことはなく、残業が必要になったり仕事を持ち帰ったりすることはほとんどありません。
子ども一人ひとりにしっかりと向き合った保育ができる
比較的規模が小さい企業内保育所は、年間を通して行事が目白押しということもなく、日々の保育を充実させることができます。
子ども一人ひとりの成長・発達にしっかりと向き合い、それに応じた援助・配慮を行っていくことができます。
アットホームな小規模保育が多い
小規模保育の良さは、保育士と子どもの関係も、保護者との関係もしっかりと築けることです。
保育士間も連携が取りやすく、保育所全体ですべての子どもや家庭のサポートをしていきやすいというメリットがあります。
企業内保育所には、実はこんなデメリットも・・・
企業内保育所のメリットをご紹介しましたが、もちろんデメリットもあります。
施設・設備が限られていることが多い
企業内保育所は限られた敷地内に設置されていたり、ビルの中にあったりして、施設や設備が限られていることが多いです。
園庭や室内でのびのび遊べるスペースがなく、子どもの身体能力の発達を促すための環境が心配されることがあります。
保育士はこの限られた環境の中で、いかに子どもの成長・発達を促す工夫ができるか問われてきます。
企業独自の報告書などがある場合がある
企業によっては、社内独自の報告書の提出を求められることもあるようです。
社員の一員として、企業内保育所での事業報告をすることも、業務の一部である場合があることを知っておく必要があります。
夜間保育を行っている園もある
夜勤がある企業の企業内保育所には、夜間保育がついてきます。
病院内に設置された保育所や大企業の企業内保育所などがそうです。
夜勤の場合、手当がつくので給与が上がるメリットがありますが、日中の勤務のみを希望する場合は、注意が必要です。
企業内保育所についてのまとめ
企業内保育所で働くということは、1社員として企業に属するため、待遇や福利厚生の面でも充実しています。
しかし、保育環境としては小規模保育で日々の保育を充実させやすい環境にあることと同時に、限られた施設・設備の中で、子どもの発育を促すための工夫した保育が求められます。
どちらにせよ、子ども達にとって快適で安全な保育を心がけたいものです。
