保育園では研修や勉強会はある?保育士のスキルアップについて


保育士は預かっている子ども達を心身共に健やかに育てる責任があります。
子どもたちを取り巻く環境は日々変化しており、保育園への期待も高まっています。
そのため、保育士は常に保育の内容を見直し質の向上に努めなければいけません。
保育園では保育士の質の向上のために、様々な研修が行われます。
ここでは、どのような研修が行われているか、また保育士のスキルアップについてご紹介したいと思います。
自治体による保育士向けの研修
全国都道府県保育協会で毎年年間計画に研修を盛り込んでいます。
新人保育士向けの研修から、乳幼児の病気・乳幼児の発達・児童虐待防止に関する事・園長研修(安全・管理)・主任研修・気になる子への対応の仕方などなど多数あります。
定期的に研修の案内が園に送付され、園長の采配で研修を受けています。
講師の話をひたすら聞くだけの大きな研修会であったり、少人数でディスカッション形式の研修だったりと、様々な形の研修会があります。
特にディスカッション形式の研修では、方針が違ういろんな園の保育士の意見を聞くことが出来て勉強になります。
また同じ県内の保育士が集まるので、思いがけず先輩や旧友に再会出来ることもあります。
企業の保育士研修
保育用品や保育関係の企業主催の研修も多数あります。
企業主催の研修では、運動遊びの研修や運動会・発表会向けのダンス研修、リトミック研修などが行われることが多いです。
日々の保育に直結した実践型の研修なので、とても参考になります。
また会場でCDの販売も行われていることが多く、持ち帰ってすぐに使うことも出来ます。
ダンスは年齢別で紹介していることが多いですが、4歳児向けの振り付けを園に持ち帰って同僚たちと話し合いながら2歳児向けに作り変えるという作業も、保育士同士結束も出来て楽しいです。
またダンスやリトミック研修で、2人組や3人組などグループを作ったりもするので他園の保育士と交流することで情報交換もすることが出来ます。
救命・救急講習
園によっては消防署に行って講習を行います。
救命の方法などをしっかりと教えてもらえます。
消防署によっては乳幼児のサイズの人形で心肺蘇生や誤飲の際の対処法を教えてくれます。
またAEDの使用法も教えてもらえるので、保育園内での救命のみならず、プライベートで「もしも」な事があっても役に立つ講習です。
各園主催の保育士研修会
日ごろから交流のある仲の良い他園の園に訪問し、保育の様子を見たり、話を聞いたりなど行う場を設ける事もあります。
他園の保育士と話していると同じように悩みを持っている人も多く、解決方法を一緒に模索することも出来ます。
特に衛生に関する事で、嘔吐の時の処理方法など感染症を広げないための対策についてアドバイスをもらったり、保護者対応の仕方について意見を交換したりすることが出来る事は、とても参考になります。
園内の保育士研修
園によって方法が大きく異なります。
園内研修でまず大事な事は、共通認識を持つということです。
保育園の保育方針を理解した上で、同じ方向に向かって子ども達を成長させていくことが大事です。
保護者対応や子どもへの関わり方が保育士によって違うと、保護者も子どもも混乱してしまうので、共通認識は大事になってしまいます。
この共通認識は朝礼や終礼などで行われる園もあります。
園によっては毎朝園の方針を読み上げたり、他の保育士の良いところを発表したりするなど、他の保育士の行動に関心を持つことで人間関係をよくしようとする園もあります。
保育園は月曜日から土曜日まで開園しているので、保育士全員が一度に研修に行くことは出来ません。
そのため交代で研修に行くことが多く研修に参加することが出来なかった保育士のために、外部の研修に行った保育士による研修の発表が行われる園もあります。
保育士のキャリアアップについて
保育園で働く経験年数に応じて、園によりますが主任などの役職に就くことができます。
園によって違いますが、認可保育園では認可保育園での勤続年数がトータル5年で主任候補として採用してもらえることが多いようです。
また近年では給料が低いことから保育士の離職率や就職率、再就職率が低いため処遇改善としてや、保育士の資質をあげリーダーとなる保育士を増やす目的から厚生労働省が平成29年に保育士等キャリアアップ研修ガイドラインというものを作成しました。
これによって保育の経験年数に応じて様々な分野の研修を指定数受け修了することで、5000円~40000円の補助が園に支給されることになりました。
ただし、補助金の分配方法は各園の方針によって異なるため、受けた保育士が必ず貰えるわけではないようですが、給料のアップの可能性も広がってきました。
ひとりで悩まないための研修
保育をしていると、どうしても悩みや疑問が生じてきます。
その時に何とか解決しようと、ひとりで抱え込むことになりがちです。
ひとりで悩みを抱え込まないように研修で話を聞いたり他園の保育士と交流してみましょう。
そうすることで悩みを解決する手がかりをみつけたり、アイデアが生まれたりしやすくなります。
ぜひ積極的に研修を受けてみてください!