保育園の園長になるために必要な条件や心構えをご紹介


保育士として働いているうちに、保育園の園長になって管理運営してみたいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
園長という仕事は保育士の資格を持っていれば、誰でもなれるわけではなく最低限の経験や管理運営するための能力が必要になってきます。
ここでは、園長になるために必要な経験数や能力などを、ご紹介したいと思います。
園長になるために必要な資格要件
ひとえに園長になるための条件といっても保育園によって違いがあります。
保育園の種類は大まかに以下のように分けることができます。
- 公立保育園
- 認可保育園
- 無認可保育園
それぞれの保育園で園長になるためにはどういった条件があるのかをご紹介していきます。
公立保育園の場合
児童福祉法施行規則の職員施設長にあたる部分によると児童福祉事業に2年以上従事した者と書かれています。
ですが、多くみられるのは公立保育園の園長になるためには、まず公務員試験を受け、各自治体の公立保育園で働き、園長としての経験を積み、昇格試験などを経て早くておよそ10年で園長になることが出来るようです。
ただし、公立保育園は年々減ってきているので園長になりたい人の順番が回って来ず、定年間近にようやく園長になれるか、定年まで園長になることが出来ず定年を迎えることも少なくないようです。
認可保育園の場合
児童福祉法施行規則の職員施設長にあたる部分によると、認可保育園で常勤保育士として10年以上の実務経験、または児童福祉事業に2年以上従事し施設長資格認定講習会を受講して認定された者など最低基準が設けられています。
大きな認可保育園では、家族経営をしているところがあり、園長・副園長は夫婦で主任は娘や息子などの形態が多くみられ、その中で園長になるのは難しいようです。
しかし、待機児童問題で認可保育園が小規模保育園を姉妹園として運営することも多く見られてきています。
小規模保育園では、大きな認可保育園で保育士から主任保育士と経験を積んだ保育士の中から、園長に抜擢するなどあるようです。
園によっては認可保育園での経験が5年以上や7年以上など違いがありますが、保育士として経験が必要です。
無認可保育園の場合
公立保育園や認可保育園に比べるとハードルが低くなりますが、保育士としての勤務経験が3年以上必要です。
無認可保育園の場合は、こども園や無認可保育園での勤務経験もカウントされるところが認可保育園で園長になる場合の経験と違うところです。
企業主導型保育園や企業内保育園・院内保育園など無認可保育園の形態は多種多様で、各地に多く設立されていますが園によって、求められる経験が大きく変わってきます。
園長に求められる能力
園長になる資格を満たしていれば園長になれるとは限りません。
また、園長には保育士として培ってきた経験を元にさらに新たのスキルが必要となっています。
そういった園長として求められる能力をご紹介します。
管理運営能力
園の責任者として経営や資金面の管理から施設設備の安全管理や衛生管理を行わなければいけません。
また他にも、保育士の管理や指導、保護者へ配布する手紙のチェックから資料の確認、会議への参加や外部との交流、保護者対応、職員の募集と面接など園長の仕事はたくさんあります。
多忙な中、時間をやりくりして全ての事を行わなければいけません。
ひとりで難しい部分を主任や他の保育士に依頼するなど、園が円滑に運営されるようにマネジメントする事が大事になってきます。
熱意や覚悟
園長は、子ども達の心身ともに健やかな育成のために利権にとらわれず尽力する熱意が必要になってきます。
その為に多少辛い事や苦しいことがあっても、受け入れ立ち向かう覚悟も必要となってきます。
高いコミュニケーション能力
保育園に通う子ども達のまわりには、保護者から職員、外部や地域の方々などたくさんの人的環境があります。
そのひとりひとりに対応するコミュニケーション能力が必要になります。
ただ会話したり事務的に対応するだけでなく、気持ちをくみ取ったり時には心を鬼にして厳しいことを言わなくてはいけないこともあります。
相手によって対応を変える高いコミュニケーション能力が求められます。
冷静な判断能力
園長は仕事が多忙で時間に追われて過ごしています。
その中で保育園では子どもが怪我をしたり、喧嘩をしたり、保護者から厳しいご意見を頂いたり、地域の方々から騒音や送迎トラブルでお叱りを頂いたりと、小さなものから大きなものまで様々なトラブルに対し対応することが必要になってきます。
それに対し感情的になって対応するのではなく、冷静に状況を判断し見極めて対応することが必要になってきます。
園長になるために保育士として常に自己研鑽しよう!
このように園長になるためには、保育士の資格や経験があるだけでは出来ない能力が必要になってきます。
熱意や覚悟、高いコミュニケーション能力や冷静な判断力は園長でなくても、保育士にも必要となってきますので常に意識して自己研鑽すると良いでしょう。
その為にも研修に自主的に参加したり、積極的に新しい事に挑戦したりと日ごろから出来る事はたくさんあります。
しかしスキルや能力を身に着けることに一生懸命になりすぎてはいけません。
子ども達が心身ともに健やかに育成されることを基本に、保育に向かい合うことが大事です。
仕事の先に常に子ども達の姿が見えることで、保育園として子ども達にしてあげられることを考えて様々なことに対応することが出来るようになります。
子ども達のためを願って考えて動いたことは、子ども達も理解してくれますし、きっと保護者や地域の方々からも支援してもらえるでしょう。